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子供が家で勉強しません


よくこのことについて相談されますので、私見を述べます。どうぞ参考になさってください。


その前に前回の補足から。(ご存じの通り私は優しいおじさんですが(?)、文を書くと偉そうになってしまいますね、すみません、、)


「数学は数学者が教えたほうがいい」ということの補足です。


これは「数学者にとって数学は簡単だから」ということではありません。逆です。


「数学者にとって数学は難しい!!」自分にとってよく分かる簡単なことを、職業に選びません。私が法律をやめたように。私は数学が良くわかりません。だから続けています。よくわかったら、やめるでしょう。


私が心配しているのは数学を学ぶことをやめた大人が、だからこそ「数学なんて簡単だ」といいながら数学を教えることです。


私にとっては1 + 1から、難しく、面白く、驚きに満ちています。だから教えるたびに感動します。感動している大人が教えたほうがいいのです。


友人のW君は東大数学科卒、修士修了、博士課程満期退学を経て高校教師です。彼と話すのですが、いつも「二次関数難しいよね!」「ベクトル難しいよね!」などと盛り上がります。多くの数学者でない高校教師にとっては簡単なのでしょう。私も最近、ベクトルが分かってなかったことに気づきました。人類は2次関数をまだ理解しきっていないといえると思います。私の博士論文ははっきり言って2次関数の研究です。


そもそも公民館で行っている地点で「サークル活動」であり「趣味の会」です。私は勉強が「ダンス」「ピアノ」「スポーツ」のように楽しいのです。だからこれを広めていくことにより、世界から飢餓と戦争と悲惨をなくしたいのです!(また大きく出ましたw)


さて、先日高校の同窓会に久々にいってきました。大分にある偏差値50そこそこの中高一貫男子校。1学年130人ほどの小さな学校でした。首都圏で働いている20人ほどが集まりました。


面白いのは(よく言われることですが)、勉強ができたことと、現在の収入や社会的地位、何の因果関係もないことです。私が圧倒的に勉強できましたが、アルバイト警備員(兼大学講師・塾経営w)です。私には勉強でまったくかなわなかったM君は九州大学卒、総務省のエリート官僚です。


もちろん、それでいいのかはわかりません。私は就職活動をしたことがありませんので「労働人口」の中に入ったことがありません。日本の労働生産性の低さは、そもそも一番優秀な層が「労働人口」に入らないことに起因するのではないかと思っています。


私の知り合いにも、東大に入ったが自らの意志で「飲食バイト」「お笑い芸人」「タクシー運転手」などたくさんいます。しかも東大でも優秀な方なのに、選んでそうするのです。(私も駅警備が大好きです。今月は忙しくて1度しかできません。私が「この日に入りたい」と言えば必ずその日にシフトに入れるんです。コーヒーを飲みながら数学をしながらたまにホームを見に行っているだけなのになんという信用‼秘密ですよ。しかし自由な人生です。)


今の東大生はご存じの通り「公務員などダサい」そうで、起業が主流になりつつあるそうです。起業なら何の資格もいりません。中卒でもできます。


日本人は「みんなと一緒」がいいので、平均から逸脱するとはねられます。


あまり東大生がいない職場に東大生が一人いてもはねられます。
私も「東大卒のくせにお茶の入れ方もわからないのか?」と怒られたことがあります。
それは「調理科」ならわかるんでしょうが私はわからなかったです。


同じように東大のなかでも勉強ができすぎるとはねられます。
ですから異様に勉強ができる「理学部数学科」は、変わり者の集まり、と言われます。


世間から「東大」というと、変わり者の集まり、とみられますよね。似ています。


我々の時代も、東京大学法学部卒の進路は成績順に決まっていて


学者>法曹(裁判官>検察官>弁護士)>官僚(財務省>・・)


でした。私の知人のタクシー運転手は東大法学部首席卒業、司法試験首席合格、裁判官にならず弁護士となったので干されて仕事がなくタクシー運転手だそうです。


また某大学では「数学チューター」が3人、私を含めて全員東京大学理学部数学科卒業。2人は修士修了、私は博士。時給2500円で、分数のできない大学生に分数を教えています。しかも5年で解雇されます。さらにひどいのは、事務のおばちゃんに「教え方」を査定されている、ということです。看護師(有資格者)が医師の査定をするならまだしもです。


だから私は怒りまくっていて(=パッション)教育に命を懸けようと思っています。


私も「就職はしない」と言ったとき(再び)親に烈火のごとく怒られましたが、22歳も過ぎた子供に「就職活動しろ!」というのでしょうか。


ということで、「勉強はしないほうがいい」ということが結論です。


嘘です。「勉強した方がいいです!!」今からそのことを書きます。

まずは、日本を、世界を変えるためです。皆が賢くなれば、確実に世界は変わります。この辺はドラゴン桜参照。


世界なんて知らんがな、というでしょうが(笑)、もうひとつは自身が幸せになるためです。

ある世界的に成功した実業家の家庭での指導だそうですが「勤勉さが何よりも大切」です。


勉強でなくてもよいが、一生懸命やらないとその道の第1人者にはなれません。


例えば、指揮者ですが、音大に入ってからスタートラインにつくまでに10年は勉強が必要です。「ピアノでスコアを弾ける」ようになるのにそのくらいの時間がかかるんです。

数学者も「世界的」になるまでに、東大か京大に入ってから10年は勉強が必要です。 いや20代で世界的にはなれないですね。数学科生は、本当に、嘘だろう、というほど、受験勉強の何倍も、朝から晩までよく勉強します。そうしないと講義についていけないからです。

私のような5流でも今でも朝から晩まで勉強しています。

私の師匠であるN響指揮者の下野竜也先生はレッスンの合間に勉強されていました。

小澤征爾さんも毎朝何があっても5時に起きてスコアを勉強されていました。「勉強をやめたら、指揮者をやめなきゃいけない」が口癖でした。

世界的数学者、京大教授の柏原正樹さんは、教授会が長引いたあと「疲れたから数学を研究して帰る」といいました。

私も育児が疲れるので今日も早起きして数学を研究し、スコアをピアノで弾いて日曜日の仕事に備えました。(指揮者の仕事は棒を振ることではなくスコアをピアノで弾くことです。音楽が体に入ると腕は勝手に動きます。) 

勉強で「一生懸命する」ということの練習をしましょう。それはカッコいいことです。日本人は「一生懸命する」ことをバカにする人が多いですが、一生懸命せずに一流になることは不可能です。

幸い、勉強にはお金があまりかかりません。しかも私という全方面にバランスのとれた稀有な勉強おじさんに出会ってしまったので、ぜひともご利用ください。「まず隗より始めよ」というくらいですから。

というわけで前置きが長すぎましたが、「家で勉強しない」ということに対しての私の答は

「週に1回、できれば2回、私と一緒に勉強しましょう‼楽しいよ‼」となります。

家ではしなくていいのか?

私はピアノレッスンに似ていると思います。

教える側になってから思うのですが、初心者は、家で練習すると却って変な癖がついて有害です。ですから暫くは、私の前でだけ、楽器を触って欲しいくらいです。

ですが「楽器をやりたくて」習い始めるので、どうしても練習してしまうのです。

だから家で練習しないで下さい、と控えめに伝えます。

家で勉強していいタイミングになると、自然にし始めると思います。私は小5の夏休みのある瞬間に勉強に目覚めてしまいました。はっきり覚えています。

もしそうならないなら、週に2回私と勉強していれば、たぶん医学部や東大に合格するくらいなら大丈夫ですではないかな。

別に数学者や指揮者になるのでないなら、そんなに朝から晩まで勉強しなくてもよいので、それで十分ではないかと思います。

誇大広告でしょうか?(笑)

河野真士かわのしんじ
07053703866